注文住宅の家づくりで大変なもののひとつに「お打ち合わせ」があります。毎回重要な選択をせまられ、楽しくも疲労がたまるお施主様も多いことでしょう。 これから家づくりをする方なら「いったい、どんな打合せがどんな順序で進んでいくのだろう」「うまく乗り切れるのだろうか」と不安を持たれるのも当然で、打ち合わせの内容を知っていただくことは不安解消に役立ちます。 今回は、家づくりのお打合せの流れについて一例をお話しようと思います。これから家づくりをされる方の参考になれば幸いです。

注文住宅の打ち合わせの流れ

注文住宅は建売住宅と違い、たくさんの打ち合わせがあります。慣れないお施主様にとってはとても疲れる作業の連続ですが、建売住宅にはない楽しさもあります。 とくに工務店や建築事務所を選ぶお施主様はお家に対する思いが強く、打ち合わせ回数が多くなる印象です。大手のハウスメーカーは、打ち合わせのシステム化や仕様の標準化で打ち合わせ回数は少なくなるケースが多いようです。 これから打ち合わせでどんなことをするのかご紹介しますが、打ち合わせの内容は建築会社やお施主様の状況によって違うので、一例としてご覧ください。

スタートから建築工事請負契約までにおこなう打ち合わせ

打ち合わせは、まず状況の確認からスタートします。どんな計画なのか、今どこまで進んでいるのか、建築会社にお伝えいただきます。 つづいて、資金計画(何にどれくらいの費用がかかるのか予算を考える)の説明をする建築会社が多いようです。建築費の目安や付帯工事の種類と費用の目安、諸費用項目と費用の目安など教えてもらえます。 そのあと間取りのご要望をヒアリングして、作成した間取りプランの打合せ、概算見積もりの打合せと進んでいきます。スタートからここまで、おおよそ2~5回程度かかるケースが多いでしょう。

契約から建築確認までにおこなう打ち合わせ

プランや見積もりを見て納得できたら、建築会社と建築工事請負契約を交わします。契約書や添付される約款(やっかん)の内容は複雑ですので、契約だけで1回分の打ち合わせを設ける会社もあります。 契約後は、建築確認申請(建物が建築関連法規に適合しているか自治体に確認してもらう)に必要な情報から決定していきます。 たとえば、建物の配置計画(大まかな外構計画や土地のどの位置に家を置くか)や外観・外装(外壁材や屋根材、窓の位置や大きさなど)、平面図(間取り)、仕様(どんな材料を使うか)、換気計画(居室の24時間換気)などを決定します。 発注のタイミングが早い住宅設備も、ショールーム等で確認しながら決めていきます。契約からここまで、おおよそ3~5回程度かかるケースが多いでしょう。

建築確認申請の後におこなう打ち合わせ

ここまでハイペースで打ち合わせが進みますが、建築確認の申請後は少し落ち着けます。気持ちは楽しくともお疲れが出てくるころで、このあとの和やかなお打合せは休息のように感じるでしょう。 この時期のお打合せ内容は内装(壁紙など)、電気配線(スイッチやコンセントなど)、照明計画(照明器具の位置や種類)が主となります。打ち合わせ回数は、2~3回程度かかるケースが多いでしょう。

お引渡し前後の打合せ

建築工事中は、あまり打ち合わせがありません。現場の確認や突発的な課題の解決方法を協議するのが主となります。ひかり配線やエアコン取り付け、カーテン取り付けのお打合せは、この時期です。 次に打ち合わせが増えるのは、お引渡しごろ。完成前に外構工事の打ち合わせをするケースが多いでしょう。 完成直後には竣工検査があります。キズや汚れはないか、打ち合わせで決めたことのとおりに仕上がっているか、しっかり確認します。 お引渡しの際は建築会社や機器メーカーから保証・保険関係の説明(地盤保証、防蟻処理保証、防水工事の保証、住宅瑕疵担保保険など)、住宅設備等の説明(キッチン、風呂など)、説明書やメーカー保証書の解説を受けます。 この時期の打ち合わせ回数は、おおよそ2~5回程度です。

注文住宅の打ち合わせの注意点

ここまでご紹介したとおり、注文住宅では短期間に多くのことを決定していきます。すべてを全力で検討すると心身が持ちませんので、優先順位を付けておくとよいでしょう。お見積りに関わる打ち合わせでは、しっかり予算感を持っておくことも大切です。 また、できるだけ議事録を残しておくとよいでしょう。なにかに不安や疑問を感じたら、必ず建築会社に伝えましょう。

注文住宅の打ち合わせの前後に予習や復習をしよう

打ち合わせの前は予習、打ち合わせの後は復習することをおすすめします。今回はどんなことを決定したのか、次はどんな打合せをするのか、次回までに決めておく宿題はないか、打ち合わせの度に確認しておくとよいです。 注文住宅の家づくりは、スタートからお引渡しまで1年以上かかるケースもざらにあります。その間に連続して行われる打ち合わせはお施主様にとって重作業で、ときには疲労困憊(ひろうこんぱい)するでしょう。 もし頼りになる家づくりのパートナー(建築会社)がいれば、この重作業はかなり軽減されます。家を建てたいと思ったら、できるだけ早い段階で頼りになるパートナーを見つけてください。 あなたの家づくりが成功することを願っております。

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